設立と活動の経緯

連携医療・地域包括ケアにかかる情報共有システムの構築と実用化

東海ネット医療フォーラム・NPO
最高顧問  吉田 純

photo1わが国の医療は1961年国民皆保険制度がスタートし、いつでもどの医療機関にも自由に診療が受けられるフリーアクセス制度が導入されました。その結果、平均寿命ならびに健康達成度が世界1となり、世界からきわめて高い評価を受けました。一方1990年代初頭、バブル経済が崩壊すると我が国の経済は長期に低迷すると共に2000年には医師、看護師不足と分野別偏在により、全国各地で地域医療の崩壊と社会保障の機能不全が明らかとなっていきます。さらに急激に進行した少子高齢化等、社会構造の変化に伴い、医療環境が大きく変化しました。2005年の暮には我が国の医療制度を抜本的に改革する指針、すなわち医療制度改革大綱が発表され、2007年4月から施行された第5次医療法改正では医療提供体制の全面的は見直しが行われました。そんな時、私共は名古屋大学を中心に産官学連携による地域密着型医療情報連携ネットワークである東海医療情報ネットワークコンソーシアムを立ち上げ、また2006年4月「社会が求める医療」と「高度な医療生活圏」の確立を目指し、「東海ネット医療フォーラム・NPO」を立ち上げました。そして2006年から3年間、経済産業省委託事業「地域医療情報連携システムの標準化及び実証事業」を開始します。本事業は東海ネット医療フォーラム・NPOが中心となり、保険医療福祉情報システム工業会(JAHIS)、(財)医療情報システム開発センター(MEDIS-DC)並びに関連学会の協力の下で脳卒中を初めとする「疾患別地域完結型医療」を実践するための新規技術(名古屋市の中核病院を中心に光ファイバーを用いたクローズネットワークとCDA/XDSによる分散型ネットワークの構築)の開発を通して日本型RHIO (Regional Health Information Organization) の創設と「連携医療」による医療の質の向上を目指したものです。

また平成20年度には総務省受託事業「地域ICT利活用モデル構築事業」「2次医療圏内外の疾患別連携医療を支える遠隔協働医療支援システムの構築」を行い、かかりつけ医や介護事業者向けのオープンネットワークを構築し、インターネット機能と低コスト化の実現とさらなる普及を目指しました。そして現在、平均寿命が80歳を超える超高齢社会においてはこれまでの病院完結型医療から地域連携型医療へ転換、また慢性疾患中心の医療は病院から生活の場へと大きくシフトすることが求められています。さらに行政は、医療、介護、福祉の一体化を目指した地域包括ケアーシステムの構築を進めています。そこで東海ネット医療フォーラム・NPOは多職種連携と介護福祉情報の共有を可能にするICTシステムを開発しました。セキュリティを担保しながらマルチモダリティに対応する機能を備え、ITの専門家ではない多くのスタッフが簡単に操作できるシステムです。本システムは「電子@連絡帳」の名称で登録しました。そして現在、医療画像連携、ドクターカー支援、患者家族支援、生体情報監視等を可能にする電子@連絡帳のオプションシステムも構築し実用化しています。